前回は糖尿病の専門医が推奨する、糖質量を約半分に抑えて食事の最後に食べる食事法「ロカボ」を紹介しました。今回は具体的な食材選びを考えます。
★脂質とタンパク質
脂質とタンパク質に関してはどんな食材を選んでもOK。2006年に米国で報告された脂質制限食の無作為比較試験の結果、飽和脂肪酸は心血管疾患やがんなどの主要な疾患リスクを有意に低下させるという明確な証拠は見いだされず、「脂質の質」や「糖質制限」に注目が集まるきっかけになったそうです。また、世界中で読まれている「TIME」という雑誌でも、20世紀の脂質制限の概念は間違いだったという特集が組まれました。(図①)油も色々ありますが、摂ってはいけないのは過酸化脂質(酸化が進んだ古い油)とトランス脂肪酸くらいだと言われています。栄養学も日々更新する必要がありますね。
タンパク質に関しても、肉類、魚介類、卵、大豆製品などどれもOKです。タンパク質は身体を作る栄養素ですからしっかり摂る必要がありますが、21世紀に入ってから摂取量が急激に減少。痩せ志向のブームや、手軽に購入できる炭水化物中心のインスタント食品の普及が背景に考えられています。「ロカボ」では、タンパク質を食事の前半で摂ることによって量も食べられますし、血糖値の観点から見ても、例えば白米単独で食べるよりも、タンパク質を一緒に摂った方が血糖値は上がりにくいという結果もあります。(グラフ①)
★野菜
野菜・豆類・海藻類・きのこなどに多く含まれる「食物繊維」は【不溶性】と【水溶性】に分けられます。血糖値の観点から考えると特に大切なのが水に溶けやすい「水溶性食物繊維」です。(図②)
水溶性食物繊維は血糖値の上昇が穏やかになります。野菜や柑橘類、芋類などのペクチン、わかめや昆布など海藻類のアルギン酸、こんにゃく芋や里芋のグルコマンナンなどが知られています。
中でも海藻類のねばねば成分は、血糖上昇を抑える他にも腸内環境を整え、脂肪の吸収を抑えるなど便通改善やメタボ対策、免疫力アップ等の効果が期待されています。不溶性食物繊維も便通には欠かせず、大腸がんの予防効果などの報告もあるので、積極的に摂りたいですね。しかし、食物繊維摂取量は近年減少傾向にあり問題視されています。2025年4月に発表された「日本人の食事摂取基準2 0 2 5 」では理想的な目標量( 推奨量)から随分不足しています。まずは多種類の野菜や果物、海藻類、豆類などを意識して食べましょう。
飲み物でもコーヒーのクロロゲン酸や緑茶のカテキン、番茶のポリサッカライドなどそれぞれ糖尿病にかかるリスクを軽減する効果が期待されています。
日本ではまだまだ「油は太る」「健康を損ねる」という概念にとらわれているとも言えるでしょう。私自身もケトジェニックダイエットを学び、『糖質疲労』『脂質起動』という2冊の本に出合って、脂質に対する考え方が変わりました。もちろん脂質なら何でも良いという訳ではありませんが、少なくとも美味しい油はもっと味わって良いのだと嬉しい気持ちになりました。皆さんも糖尿病対策としては糖質だけ気をつければ大丈夫ですので安心して肉も油も召し上がってください。
※参考文献はならでわHPに掲載
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
\#ならでわ 12月号発刊/
— 月刊ならでわ!@長崎県北・佐世保のグルメ情報誌 (@nyan_naradewa) December 1, 2025
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