一月二十日過ぎから二月に入ると暦の上では大寒(図①)になります。東洋医学では大寒を「陰の極み」と考え、体内の陽気が最も少なくなる時期であると同時に、春に向けて陽気が芽生え、体力を蓄える大切な時期とされています。そのために身体を温める・運動して血行を良くする・しっかり休息をとる・温かい食べ物を摂ることなどを推奨しています。この時期にぜひ注目していただきたい食材は根菜類の「大根」です。
大根の歴史は4000年〜5000年前に遡るとされ、古代エジプト時代にはすでに栽培され、タマネギやニンニクと共にピラミッド建設の労働者の栄養源に利用されていたと伝えられています。原産地は諸説あるようですが、地中海沿岸や中央アジアあたりからシルクロードなどを経て中国へ伝わり、日本へは奈良時代以前に到達し『古事記』や『日本書記』に「於朋泥(おほね)」という名前で登場します。当初は貴族や僧侶たちが薬用として利用していた高級食材だったようですが、次第に庶民にも親しまれ、鎌倉時代から室町時代には大切な食料として認められたようです。
江戸時代になると参勤交代を機に人々の行き来が盛んになり、各地の気候風土に合った大根が進化し始めました。その結果、鹿児島の桜島大根や東京の練馬大根、大阪の守口大根、京都の聖護院大根などの伝統野菜をはじめ200種類とも300種類とも言われる大根が存在しています。
近年、栽培の主流は青首だいこん(写真①)で、国内に流通する大根の90%以上を占めています。旬は冬ですが、産地リレーによって日本の南北の気候を活かした、その時期ごとに適した産地から供給され一年中手に入れることができます。
【選び方】
形:まっすぐ伸びて太いもの
重み:ずっしり重い方がみずみずしく水分が豊富
表面:なめらかでハリとツヤがある。
ひげ根の穴:まっすぐ縦一列に並んでいる大根は土壌のストレスなく順調に育った証拠で甘みも強い傾向がある。辛みを求めているときは不揃いでもよい。
葉:緑色が鮮やかでピンと張っているもの
カットされているもの:断面がきめ細やかでスが入っていないもの。
【保存方法】
葉と根を切り離して保存する。根は丸ごと新聞紙に包んで冷蔵保存。カットしたものはラップに包んで野菜室に保存し早めに使い切る。葉は軽くゆでてから冷蔵庫または冷凍庫で保存する。
【栄養と機能性成分】
白い根の部分 ビタミンC、カリウム、食物繊維を含むがほとんどが水分。
ジアスターゼ:主にでんぷんを分解する消化酵素。熱に弱いため効率よく摂取するには生で食べる「大根おろし」が最適。胃酸過多や胃もたれ、胸やけなどに効果が期待できるので、食事の時に一緒に摂るとよい。
オキシターゼ:魚などの焼き物のコゲの部分に含まれる発がん性物質を分解すると考えられている。焼き魚に大根おろしはとても良い組み合わせ。
イソチオシアネート:大根をすりおろすと出てくるピリッとした辛み成分。本来、植物が虫に食べられないようにする役割をもつ。免疫力を高め解毒作用もあり、がんの発生も抑制すると言われている。この辛み成分は根の皮の部分近くに多く含まれるので、皮を薄く剥いて細かい目のおろしを使うと辛みが増す。イソチオシアネートは先端にいくほど多くなる傾向があるとされる。緑の葉の部分根の部分とは全く違い豊富な栄養素を持つ。(表①)根の部分にはないカロテンや活性酸素を除去する力が強いビタミンA・C・E(エース)や食物繊維も豊富。また野菜ではあまり期待できないカリウム、カルシウム、鉄などのミネラルも含んでいて、緑黄色野菜に属す。葉付き大根が手に入った際は、葉の部分も大切に利用しましょう。
【調理】
根の部分は上部、中部、下部と使い分けをするとよいでしょう。(図②)
上部:甘味が強く食感もよいので、サラダやマリネ、ステーキにも向いている。(写真②)
中部:柔らかくて甘味もあるので、おでんなどの煮物や炒め煮などに向いている。(写真③)
下部:水分が少ないのでスープやみそ汁の具、炒め物、漬物に向いている。辛みを感じたい大根おろしにも。(写真④)
疲れた胃腸に大根料理はホッとする優しさがあります。これを機会にレパートリーを増やしてください。次回はカラフル大根をご紹介します。
大根の参考資料
・四季の野菜大図鑑 枻えい出版社 ・野菜の本 講談社 ・旬の食材 講談社 ・ぴあおとな図鑑 おいしい野菜 野菜の力 ぴあMOOK
・旬野菜のちから 薬膳の知恵から タナカトウコ著 叢文社 ・野菜と果物の品目ガイド 農経新聞社
・体を整える野菜事典 日本野菜ソムリエ協会監修 宝島社
・だいこん 大根 産地 野菜 栄養 機能性 調理https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/0711_yasai1.html
・第3号 第2回 「おいしい大根煮物を作るには」 ¦ フードサイエンスラボ ¦ Daigasグループの技術開発 ¦ Daigasグループ
https://www.daigasgroup.com/rd/labo/no3_2.html
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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