

『病は気から』とは、「気の持ちようで病気は重くなったり軽くなったりすること」や「気分が落ち込んでいると病気になってしまうよ」という意味にも使われる皆さんよくご存知の慣用句ですね。気の持ちようは身体に大きな影響をもたらすと昔から体験的に人は理解していたようです。これは、科学的にも正しいと考えられています。
【ストレスとがん】
嫌な気分になったり何か嫌なことが起こったらどうしよう、体にちょっと痛みを感じるところがある…と不安に感じたりすることはありますよね。そんな些細な心配をしただけでも瞬間的に人はそれをストレスだと感じ、ストレス反応が生じます。体内ではコルチゾールやカテコールアミンなど副腎からホルモンが産生され、心拍数が上がったり血糖値が上昇したりして対処します。しかし、慢性的なストレスを抱えるとこれらはマイナスに働き、肉体的にも精神的にも影響が出てきます。中でも活性酸素の出現は遺伝子を傷つけ直接的にがん
の発生に繋がります。また免疫の監視システムにも影響し、1日に5000個〜6000個くらい発生していると言われている異型細胞を消す免疫細胞の働きを低下させ、がん発生を進行させてしまう、と言われています。(図①)
このように考えるとストレスはがんだけではなく、様々な病気のリスク要因であることが考えられるのですが、ストレスは主観的な情報になり、その程度を測定することが難しいため研究が非常に少ないのが現状です。数少ない日本のコホート研究の一つで、1990年〜2012年まで日本各地のがんに罹患していない男女約10万人を追跡調査した結果にもとづき「自覚的ストレスとがん罹患」との関連を調べました。追跡調査中約17000人ががんに罹患し、調査開始時のアンケートで自覚ストレスを低・中・高の3段階のレベルに分けましたが、その時点ではあまりがん罹患との関連は見られませんでした。しかし、5年後の調査で6段階に分けると常に低レベルのストレスに比べ、常に高レベルなストレスがある人は11%がん罹患リスクが上昇していた、という結果でした。(グラフ①)それも常に高いストレスを受けていたのは主に男性で、女性よりも生理的影響が大きいとわかりました。男性は生活習慣の中で喫煙や飲酒などが多い傾向もあり、調査上完全に取り除けなかった可能性もあるとのことでしたが、特に肝がんや前立腺がんにストレスとの関連が高いとみられ、男性は慢性ストレスとの付き合い方を注意しなくてはなりませんね。
【ストレスと食習慣】
慢性的なストレスは食欲が増したり甘いもの・脂っこいもの・塩辛いものを好んだりと食生活も不健康な傾向になりやすいものです。これは、腸内環境を直接的に悪化させてしまいますから、この悪循環ができないように注意したいですね。
ストレスが気になる方は、写真①のような神経の興奮を抑えるマグネシウムや自律神経を調整するビタミンE、コルチゾールの合成に欠かせないビタミンCなどを含む食材を意識して摂ってください。今が旬のグリーンアスパラもビタミンB群たっぷりでオススメです。
ストレスの原因は様々で対処方法もいろいろでしょう。中にはすぐに対処できるものもあるかもしれませんが、なかなかそうもいかないものが大半ではないでしょうか。1日5分から15分、目をつむってゆっくり深呼吸することでもストレス反応は改善されるようです。日課にしてみてくださいね。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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