File:32(2月号)
 春の七草の「すずしろ」とはダイコンの事。古来から日本人の食文化を支えてきた食材です。それだけに、全国各地で200種を越える固有のダイコンが栽培されていましたが、1980年代からは現在出回っている「青首ダイコン」が主流になりました。
 ダイコンの白い根の部分と葉の部分は全く別の野菜かのように栄養成分が異なります。根の部分はほとんどが水分で栄養素としてはビタミンCがあるくらいですが、煮ものなど一度に沢山食べられることを考えると食物繊維の供給源にもなります。そして注目すべきは、アミラーゼやオキシターゼなどの消化酵素が含まれていることです。アミラーゼはでんぷんを分解するので、お正月に食べた「からみもち」などは理にかなっていますね。オキシターゼはたんぱく質や脂質を分解するので、焼き魚に大根おろしというものもよい組み合わせです。酵素は熱に弱いので、サラダやおろしでいただくのがおススメ。ピリッとする辛み成分はイソチオシアネートとといって、発ガン物質を抑制すると言われています。
 葉の部分は、緑黄色野菜に属する栄養の宝庫。カルシウム、鉄、カリウムなどミネラルが豊富に含まれ、活性酸素から体を守るといわれるビタミンエース(A・C・E)も揃っています。葉つきが手に入ったら、捨てずに食べて下さいね。
 選ぶ時は、色白でキメが細かい美肌のものを選んでください。「古事記」の中には「大根根白の白腕」と女性の白くて細い腕がダイコンにたとえられていますが、改良を重ねる内に「ダイコン足」まで太くなってしまったんですね(笑)。とってもいとおしいダイコンです。